MBCテレビ局「王仁特番」取材同行記〔4日目〕

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〔4日目〕5月10日(月) 兵庫県たつの市八瀬家、堺市家原寺・土塔
 午前9時に鶴橋を出発し、高速道路をかなりのスピードで走って、どうやら所定の時間にたつの市に着きました。ところが、八瀬家の電話番号ではナビにセットできず、右往左往する有様で、八瀬家に何回も電話して最後は住所を教えてもらい、その住所をナビにセットしてやっと着くことができました。
 八瀬家は龍野市指定文化財に指定されている旧家で、重々しい佇まいでしたが、ご主人の八瀬正寿さんご夫婦が気さくな方で、暖かく迎えてくれ、茶菓子までご用意してくれました。「難波津の歌」のハングル墨書をはじめて世に紹介された故辛基洙先生のことが話題になり、八瀬家と辛基洙先生の交友の深さがうかがい知れました。
 八瀬家はかつて43ヶ村の大庄屋でしたから、古文書がいっぱいあって、父が亡くなった時、かたっぱしから古文書を燃やして整理しました。ハングル墨書もその一つでしたが、開いてみると達筆な書で、燃やすのを惜しみ、元に戻しました。それが故辛基洙さんの見るところとなり、世に出ることになったということでした。
 藤原惺窩が幼少を過ごしたお寺があるそうで、姜沆を研究している私にとっては興味を引かれる場所でした。ジュウレンジというそうで、今は廃寺ですだが、記念碑があるそうです。惺窩は藤原定家の子孫で、辛先生が最初に見えたのは、そこに行きたいということだったそうで、その地は戦前、子供会が掃除をしたりしていたそうですが、戦後はどういうわけかしなくなり、住宅がいっぱい建ち並び、その間を縫って案内したしたそうです。その時にハングル墨書を見せたそうです。
 八瀬家はもともと多田と名乗り、多田源氏、源頼政の子孫ですが、応仁の乱で敗れ、京都からここに移り住んだそうです。家紋は左卍で、ご主人の代で35代目だそうです。長刀(なぎなた)とか刀とかがいっぱいあり、NHKなども大きなカメラを持ってきて取材したそうですが、放映されたあと、あちこちから電話があり、変な様相の人らが家の周りをうろうろして、3日ぐらい家から出られなかったといいます。そのうち警察からも危険物として警告され、その処置に困ったそうです。現在は屏風など貴重なものは市に預け、管理してもらっているそうです。
 ご主人は狩猟が好きで、鉄砲の振動で最近は耳が遠くなったそうですが、辛先生が鹿とか猪の肉が好きで、時たまに送ったそうです。私もいただいてしまいました。でも、どうして、ハングル墨書が八瀬家に残っているのでしょうか。そのいきさつを是非とも知りたいと思いましたが、知るのは非常に困難なような気がしました。
 ふたたび、高速道路を走り、堺に向かいました。家原寺に着くと、雨のなか、韓国民団堺支部の呉時宗団長が案内してくれました。入ってすぐ、王仁博士の子孫である行基菩薩の銅像が建っています。傘をさしながら、行基が生まれた家原寺を回りました。
 天智帝が近江の大津宮で即位した668年に、行基は河内国大鳥郡(大阪府堺市)で、父は高志才智、母は蜂田古爾比売との間に生まれたといわれています。15歳で薬師寺に入り法相宗の経典を修め、師匠の道昭とともに全国をめぐりました。いたるところで民衆の困窮を見たのでしょうか、多くのお寺を建て、救済施設の布施屋も建てました。橋も架け、港も造り、お墓も造ったということです。家原寺の近くには百済川という川もあります。その後、聖武帝の強い要請によって、大仏建立に大きな役割を果たしました。
 家原寺を出て、行基が築いた土塔を散策しました。土塔の整備事業が完了したようです。雨が強くなり、寒さを伴うなか、ジャンバーを羽織って、土塔をめぐりました。寒さに体が震えました。
 土塔は、瓦を一枚一枚積み上げて、ピラミッドのように造り上げています。その瓦一枚一枚に、その瓦を寄贈した民衆の名前が刻まれているということが、出土した瓦から分かりました。土塔の人名瓦として世に有名になりました。土塔は、一辺が54メートル余の土山で、方形の古墳と見る学者もいましたが、実は大野寺の塔婆(供養追善のため墓に立てる、上部を塔形にした細長い板。梵字・経文・戒名などを記す。板塔婆)として築かれたものでした。民衆とともに活動した行基の土のにおいのする貴重な遺跡だといわれています。

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代々伝わる多田源氏の陣笠を見せる八瀬家当主の八瀬正寿さん

(대대고 전해오는 다다겐지의 진립을 보여주는 야세가 당주의 야세 마사히사씨 )

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八瀬家の奥さん(야세가의 부인)


 

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このページは、KSYが2010年5月11日 04:23に書いたブログ記事です。

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