MBCテレビ局「王仁特番」取材同行記〔6日目〕

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〔6日目〕 5月12日(水) 上田正昭先生、井上満郎先生
 午前7時、眠たい目をこすりながら布施駅を出発し、亀岡駅に向かいました。着いたのは10時前で、MBCのスタッフに迎えにきてもらいました。上田先生には王仁博士に関する『王仁伝承の虚実』という論文があり、上田正昭の自宅に訪問して王仁博士について聞こうというプランでした。併せて蔵書の懐風藻と古今和歌集の王仁に関する部分をビデオカメラに収めようという算段でした。上田先生のお話は次の通りでした。
 紀貫之の古今和歌集の仮名序に「難波津の歌」と「あさかの歌」の二つが手習いの歌として載っている。7世紀から8世紀の木簡に「難波津の歌」が書いてあり、42点出土しているから、多くの人に親しまれていたということがわかる。王仁博士は日本における学問のもとを築いた人だ。
 応神天皇の時代に論語と千字文を持ってきた。河内の文氏という子孫が存在し、活動しているから実在は疑いようがない。論語を持ってきたのは確かだが、千字文ができたのは梁の時代だから、王仁博士の時代には存在していないから、江戸時代から論争の種になっている。
 現代の多くの人は王仁博士のことを知らないが、大阪で難波津の歌のハングル歌碑ができ、木簡の難波津の歌、日本のかたかなを並べている。これは大変有意義な事業で、王仁博士のことをしっかり学ぶことが、日本と韓国の善隣友好に大きく寄与すると思う。
 百済の子孫たちが日本に渡ってきて大きな影響を与えたことは、王仁博士のみならず、法隆寺釈迦三尊像を造った鞍作止利の先祖は百済人だし、百済から渡ってき観勒、慧聡いうお坊さんは聖徳太子に大きな影響を与えた。絵画でも大和漢氏という人たちがいる。東大寺大仏を実際に造ったのは百済からわたってきた国骨富という人の孫、国中公麻呂だし、行基も父母も百済から渡ってきた人だ。飛鳥時代や天平時代の文化を論じるうえで百済から渡ってきた人たちの存在を抜きにして論ずるわけにはいかない。「桓武天皇は、百済武寧王の子孫である」ということも『続日本紀』に書いてあり。陛下はそれを私の『帰化人』という本を見て知っておられた。
 上田先生の取材を終えての帰り、桓武天皇の生母で、その先祖は百済武寧王の子淳陀太子という高野新笠(たかのにいがさ)姫の陵墓にお参りする予定でしたが、寒い日でしたので見送りました。京都大学に留学しているアンさんの案内で、京都大学百万遍校舎の食堂で昼食をとった後、銀閣寺などを見学して、所定時間の5時に京都駅前のNHK文化センターで、京都産業大学教授の井上満郎を取材しました。井上先生のお話は次の通りでした。
 王仁博士は、論語と千字文を伝え、非常に大きな役割はたした人物だ。王仁博士の渡来がなければ日本の文化は100年単位で遅れていただろう。王仁という表記がいろいろあるが、ワニと呼ばれた人が漢字で表記されると、いろいろな表記になる。違う表記はそんなに気にすることはない。「難波津の歌」は王仁博士が創製したのではないだろう。その頃には5・7・5・7・7という形式はなかったからだ。
 韓半島からの渡来人という形の研究は30年くらい前からで、上田先生らがその先駆けだ。王仁博士の資料はそんなに多いとはいえないが、私自身は王仁博士を含めた渡来人の研究を進めたいと思うし、広い国際的に背景のなかで歴史をきざんで行ったという点でも、また日韓の友好、交流を推進する上でも、王仁博士を研究することは非常に重要だ。王仁博士の背後、周囲には多くの渡来人がいるということを忘れてはならない。
 王仁博士の子孫は多く繁栄したが、王仁博士の子孫という人はいない。苗字を持つようになったのは百何十年か前で、それまでは苗字はなかった。だから、系図を王仁博士の頃まで溯れない。百済王氏の子孫という人に会ったことはあり、家系図が残されていて、それを見たことはある。新撰姓氏録からの計算すると、日本人の30パーセント、3人に1人が渡来人のDNAを持っている。
 井上先生の取材を終えて、全日程が無事終了しました。そこで、ささやかな打ち上げパーティーをしようということになり、アンさんが留学生仲間とよく利用するという四条木屋町の居酒屋和民にもぐりこみました。
 ペクさんたちから、「姜さんの案内で、無事に終わって、ありがとう」と感謝されたときは、本当に嬉しく思い、熱燗のお酒もおいしく味わいました。

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上田先生を囲んで

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井上先生を囲んで

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打ち上げ会

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